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山鹿灯籠は、「骨なし灯籠」とも呼ばれるように、木や竹、金属などの骨組みや部品を一切使用せず、すべて和紙の“面の組み合わせ”だけで作られているのが特徴です。この独自の製法を可能にするため、内部や柱の部分は空洞になっており、和紙で作られたさまざまなパーツを組み合わせて立体物を作り上げています。また、一見すると建築模型のようにも見える宮造りや座敷造りなどの作品は、実物の正確な縮尺ではなく、立体感をより美しく際立たせるために独自の寸法で作られています。
平たい紙にヘラや棒などでカーブをつけて立体感を持たせる技法。金灯籠の飾りや建物を模した作品の屋根の反りに柔らかさを生み出します。手作業で均等にカーブを生み出すには少々コツが必要です。
紙の厚みを活かし、紙の断面同士を接着する技法。縁がしっかりと立ち、全体にキリっとした雰囲気を与えます。作品の主要な部分に多用される技法ですが、難易度が高く、慎重さと手早さが求められます。
部材に厚みを与えるために、2枚の同じ形の紙を支えとなる紙で持ち上げる技法です。山鹿灯籠を代表する「金灯籠」の手脚や骨組みでも多用されています。歪みが生じないように作るのがポイントです。