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山鹿灯籠の種類

山鹿灯籠には、代表的な金灯籠をはじめ、宮造り、座敷造り、城造り、鳥籠、矢つぼなど、神社への奉納を目的とした多彩な伝統的様式があります。また、灯籠師が技を追求する中で生み出した様々な作品も見られます。作品によっては座敷造りのように、障子やふすま、畳など、建物内部の細部までも和紙で精巧に再現されたものもあり、その緻密な作り込みも魅力となっています。

  • 金灯籠

    山鹿灯籠を代表する形で、神社にある吊り灯籠をモデルとしています。1957年から女性が頭に載せて踊るようになり、全国的に知られるようになりました。灯籠師の技術が集約されており、一人前の灯籠師になるための第一歩とされています。

  • 宮造り

    神殿や楼門、五重塔などの神社仏閣建築を題材とし、外観を豪華絢爛に再現します。 神社建築の多様さゆえ、部品や型紙の種類が最も多く、制作時間を要します。まつりの際に最も奉納される型。

  • 座敷造り

    伝統的な日本家屋を題材にし、建物内部の床の間や書院、掛軸や机などの生活用品まで精巧に表現します。​細部まで作り込まれており、様々な角度から覗く楽しみがあります。

  • 城造り

    日本の城を題材にし、宮造りの豪華さと座敷造りの繊細さを兼ね備えています。​瓦の細部など見どころが多く、360度どの角度からも楽しめる作品です。

  • 古式台燈

    金銀一対で作られることが多く、細やかな切り絵と豪華な装飾が特徴。灯りが灯ることで切り絵が映え、魅力がより一層増します。上部の金灯籠は通常のものとは違い、切り絵装飾が施されています。

  • 鳥かご

    かごも中の小鳥も和紙で作られ、シンプルながらも繊細な工程を要します。 毎年、神社に奉納される作品の一つです。

  • 矢つぼ

    奉納灯籠として毎年制作されるほか、端午の節句に贈られることが多い作品。つぼ部分に灯りが入り、切り絵が映える仕組み。切り絵や装飾の繊細さから、山鹿灯籠の技術力を感じることができます。

  • 御所車

    江戸時代にはすでに制作されており、その後登場する飛行機や軍艦などの制作に影響を与えた題材。実際に車輪も回るように作られており、山鹿灯籠で唯一動かすことができる作品です。

  • 人形灯籠

    人や動物を模した高度な技術を要する作品。明治から昭和初期の灯籠師・松本清記が、それまで平面的だった顔や指先の表現を一新。石膏で型をとり、凹凸を出したより精巧な作り方を考案しました。